図書館活動をサポートするOB会 Library Support Forum
LSF事務局(日外アソシエーツ内)
TEL. 03-3763-5241
営業時間 AM9:00 ~ PM18:00
第1回図書館サポートフォーラム賞受賞者(1999/2/15授賞式)
遠藤 征広氏(遅筆堂文庫)
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山形県川西町に同町出身の作家井上ひさし氏の蔵書13万冊を誘致、町当局にも働きかけて「遅筆堂文庫」を設立、分類・整理を行い広く研究一般に公開している。井上氏は作品執筆のための参考図書資料を継続的に寄贈。日本語関係図書、江戸古地図、忠臣蔵関係、自筆原稿等特色ある研究図書館になっている。
- 一方、同文庫と共に町立公共図書館、劇場を含めた川西町フレンドリープラザは講演会、こまつ座フランチャイズ公演、演劇学校、生活者大学校等を開催して全国から集客し町の活性化に寄与している。同氏の継続的な熱意と図書館を核とする地域への文化的、経済的貢献は図書館活動の新しい側面を切り拓くものとして高く評価される。
- 受賞の言葉
鬼頭 當子氏(MK図書館研究所主宰|元・国際基督教大学図書館長)
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ケニアのデイスター大学アガペー図書館設立のための1億円の募金活動に積極的に協力。設計者であるご主人の鬼頭梓氏や家族と共に、図書館員の立場から図書館づくりに貢献。1997年5月に竣工、大学に寄贈した。
- 同図書館はケニア最良の図書館と評価を得つつあり、日本の民間による(1,397名の募金)国際的文化貢献活動に図書館建設を位置づけたものとして表彰に値する。
- 鬼頭氏は国際基督教大学図書館長や図書館関係団体の役職を通じてライブラリアンとして発言してきているが、図書館の国際協力を形として実践した。
- 受賞の言葉
濱田 敏郎氏(前・日本図書館協会利用教育委員会委員長|慶應義塾大学名誉教授)
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日本図書館協会図書館利用教育委員長として、図書館利用の活性化のために図書館業務を一般に正しく理解させる目的で、ビデオ「図書館の達人」シリーズの企画・監修を行った。
- 同シリーズは図書館の機能、文献探索等を内容とし実際の現場の活動を紹介したもので、一般利用者・学生等に図書館を理解させるのに役立った。
- 達人シリーズはアーカイブや博物館等の同種のものの制作にも波及している。
- 同委員会はさらに図書館利用教育のためのガイドラインの策定を行うなど、図書館と利用者のコミュニケーションの活性化に取り組んでおり、濱田氏は委員長としてリーダーシップを発揮した。
- 受賞の言葉
藤田 幸弘氏(前・銀行協会図書館長)
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明治以来の銀行の統廃合の変遷はおびただしいものがあるが、従来その正確なデータは集積されていなかった。東京銀行協会・銀行図書館は、その所蔵資料、関係文献を克明に調査し、その成果を「本邦銀行変遷史」(1998.9刊)として刊行した。藤田氏は前館長としてこのプロジェクトを率先実行し、一件ごとのデータシート約6,000枚を5年間で作成するなど貢献した。このデータは出版物の他データベース化してさらに蓄積され、わが国の銀行史研究の根幹をなす情報源として位置づけられる。
- また、本作業はアンケート調査やヒヤリングでなく図書館蔵書や文献資料に基づくもので、データは文献の裏づけのある正確なものであって、図書館のレファレンス調査の成果として評価される。
- 受賞の言葉