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第24回図書館サポートフォーラム賞受賞者(2024/5/1授賞式)

石原 弘子氏(多言語絵本の会 RAINBOW 代表)
 石原弘子氏は、多言語絵本の会RAINBOWの代表として、2006年から東京都目黒区を拠点に在住外国人とともに「外国につながる子どもの母語保持」と「日本語で育つ子どもの外国語への関心拡大」を目的に掲げて、「多言語よみきかせ」や「多言語電子絵本制作」を行ってきている。障害者支援であるマルチメディア・デイジーを使用して制作された「外国語と日本語のバイリンガル電子絵本」は、バリアフリー図書の先駆である。国籍・言語を越え、子どもたち個々の母語への親しみを守り育むという例は他に見出しがたく、その功績は、まさに図書館サポートフォーラム賞にふさわしく、高く評価して表彰するものである。

礒井 純充いそい・よしみつ氏(一般社団法人まちライブラリー 代表理事)
 礒井純充氏は、2008年大阪天満橋駅近くのビルの一室で自身の蔵書1,500冊で「まちライブラリー」を開始し、「まち」で働き、生活する人々が、「まち」を自分の目線で活き活きとさせるための塾「まち塾」と「まちライブラリー」(学びあいの場)を提唱実践する過程で、ひたすらミクロにこだわって、日本におけるパブリックなライブラリーの実態とイメージに大きな刺激を与えるとともに、その戦後日本の民主的図書館像への果敢な揺さぶりは、著書『「まちライブラリー」の研究―「個」が主役になれる社会的資本づくり』(みすず書房、2024)にまとめ、その功績は、まさに図書館サポートフォーラム賞にふさわしく、高く評価して表彰するものである。

眞野 節雄しんの・せつお氏(東京都立中央図書館 資料保全専門員)
 眞野節雄氏は、1976年東京都立図書館の司書としての職務の傍ら、自主的に資料補修製本等の専門技術を自学自習され、2000年代にはJLAの資料保存委員会に参加しつつ、本務館である都立中央図書館の資料保存室での資料保存業務に専念され、その成果を『防ぐ技術・治す技術―紙資料保存マニュアル』(共著、2005)および『図書館資料の保存と修理―その基本的な考え方と手法: 眞野節雄講義録』(2023)など多くの文献にまとめられており、東日本大震災はじめ多くの災害に見舞われる中、MLAにおける、「防ぐ技術・治す技術」のたゆまぬ改良と継承の意識継続の必要性を強く示し、その功績は、まさに図書館サポートフォーラム賞にふさわしく、高く評価して表彰するものである。

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