図書館活動をサポートするOB会 Library Support Forum
LSF事務局(日外アソシエーツ内)
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第20回図書館サポートフォーラム賞受賞者(2018/4/23授賞式)
水谷長志 表彰委員長講評
奥泉 和久氏(法政大学 非常勤講師|元・横浜女子短期大学図書館)
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奥泉和久氏は長く大学図書館の現場において勤務されつつ、『近代日本公共図書館年表 1867~2005』をはじめ多くの図書館史に関わる著作を公刊され、日本図書館文化史研究会の編集による『図書館人物事典』を先導して大きな成果を残して、近年の図書館史研究の活性化に大きく寄与した。中でも『図書館史の書き方・学び方』は、近々、韓国図書館協会から翻訳・刊行される予定があるなど、同研究領域において後進および海外への波及浸透をもたらすものであり、まさに図書館サポートフォーラム賞にふさわしく、高く評価して表彰するものである。
- 受賞の言葉
小山 騰氏(元・ケンブリッジ大学図書館 日本部長)
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小山騰氏は1985年から2015年までケンブリッジ大学図書館日本部長を務められた。同図書館が所蔵する膨大な日本語コレクションには、英国三大日本学者のサトウ、アストン、チェンバレンをはじめとする明治時代の外国人たちが持ち帰った数々の貴重書が残され、平田篤胤や本居宣長らの国学から始まる日本研究の歩みが所蔵されている。2017年出版の著書『ケンブリッジ大学図書館と近代日本研究の歩み―国学から日本学へ』は「国学⇒日本学⇒日本研究」という変遷について、サトウら三人にフォーカスして明示したことの意義は、今後の海外における「Japan Studies」の発展を考える上でも貴重な示唆となっており、まさに図書館サポートフォーラム賞にふさわしく、高く評価して表彰するものである。
- 受賞の言葉
公益財団法人 大宅壮一文庫
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著名な評論家であった大宅壮一氏の没後1971年に雑誌専門の個性ある公開専門図書館として半世紀の長きにわたり活動する私立図書館(現公益財団法人)の本文庫は、国立国会図書館や公共・大学図書館が収集対象として軽視してきた、きわめて多数の一般大衆誌に注目し、独自の索引・分類方式を開発して、とりわけ報道活動への大きな貢献を果たし、1982年にはその実績をもって第30回菊池寛賞を受賞している。近年の財政難にもクラウドファンディングを通じて体制を堅持しているが、あらためて図書館人が同文庫の価値を再評価することを期待し、図書館サポートフォーラム賞にふさわしく、高く評価して表彰するものである。
- 受賞の言葉
- <図書館サポートフォーラム賞特別賞>
前園 主計氏(元・山梨英和大学教授)
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前園主計氏は、1956年慶應義塾大学文学部図書館学科を卒業、同年4月(財)日本生産性本部に就職、1960年には米国コロンビア大学スクール・オブ・ライブラリー・サービスに留学、40余の米国専門図書館を訪問し、帰国後「アメリカと日本の専門図書館」『図書館雑誌』(1962年3月)を著した。以来半世紀を越えた旺盛な著述活動、専門図書館協議会、日本ドクメンテーション協会等での先駆的活動、青山学院女子短期大学ほかでの教育や啓蒙活動を通じて、日本の図書館界を先導されたことは余人をもって代え難く、まさに図書館サポートフォーラム賞特別賞にふさわしく、高く評価して表彰するものである。
- 受賞の言葉