図書館活動をサポートするOB会 Library Support Forum
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第17回図書館サポートフォーラム賞受賞者(2015/4/20授賞式)
水谷長志 表彰委員長講評
漆原 宏氏(写真家)
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東京証券取引所勤務のかたわら、東京総合写真専門学校を卒業。写真雑誌(株)研光社勤務の後、1974年にフリーカメラマンとなる。1983年に『地域に育つ暮らしの中の図書館』(ほるぷ出版)を出され、その後も日本図書館協会の『図書館雑誌』に「フォト・ギャラリー」を連載、2013年には同協会から『ぼくは、図書館がすき―漆原宏写真集』を刊行された。氏は一貫して利用者、職員、そしてさまざまな図書館への関与者の姿を図書館の空間の中に探し、発見しながら「図書館の風景」をいきいきとしたイメージとして記録されてきた。おそらくは後世の日本の図書館(史)研究者は、氏が残し定着させたイメージをもとに20から21世紀の日本の図書館の姿を理解し、再構築するに違いない。その他に代え難き功績は図書館サポートフォーラム賞にふさわしく、高く評価して表彰するものである。
- 受賞の言葉
小川 千代子氏(国際資料研究所代表|藤女子大学教授)
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東京大学百年史編集室から国立公文書館で勤務される中で、1989年に米国・認定アーキビスト・アカデミー(Academy of Certified Archivists)資格を得て、1993年からは独立してDJI(Documenting Japan International: 国際資料研究所)を設立。以後、全国歴史資料保存利用機関連絡協議会、記録管理学会、ICA(International Council of Archives: 国際文書館評議会)などの学協会での諸活動ならびに藤女子大学ほかでの教鞭など、近年の日本におけるアーカイブズ事業のほぼあらゆる方面において国際的、先導的かつ啓蒙的な活動を展開されてきた氏の業績は図書館界に対しても多大な恩恵をもたらしており、その功績は図書館サポートフォーラム賞にふさわしく、高く評価して表彰するものである。
- 受賞の言葉
戸塚 隆哉氏(元・情報科学技術協会)
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UDC(Universal Decimal Classification: 国際十進分類法)は、ベルギーのポール・オトレ、アンリ・ラ・フォンテーヌが19世紀の末に、「本」を書架に分類配架するために開発されたデューイのDCを克服し、「文献」を分類するツールとして開発され、特に科学技術系専門図書館において多く採用されたものである。
- 日本でも、氏が事務局をされていた2つの継続する協会において日本語版が維持されてきたが、2004年の同協会のUDC事業からの撤退後も、UDCコンソーシアムにおける日本側アドバイザーに就任するとともに、2002年発行のUDC CD-ROM版以来途絶えていた日本語版(要約版)を10年ぶりに作成・公開に尽くされた。
- ともすれば今日、検索において看過され忘れられがちな分類の意義を、UDCの日本語化を通じて再考を促す氏の業績はあらためて高く評価されるべきものであり、図書館サポートフォーラム賞として表彰するものである。
- 受賞の言葉