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第16回図書館サポートフォーラム賞受賞者(2014/4/21授賞式)

icon 水谷長志 表彰委員長講評

栗田 明子氏(株式会社日本著作権輸出センター(JFC)相談役)
 栗田明子氏明治以来日本は、文芸においては大変な輸入超過大国である。日本人の著作が海外の出版社に紹介されて、翻訳され、海外の図書館に入り、そして多様な国民に読まれ、理解されることも念頭に、栗田氏は日本の著作権輸出という困難に果敢に取り組んだまさにパイオニアである。その著書『海の向こうに本を届ける著作権輸出への道』(晶文社, 2011)は、まるで出版界の「兼高かおる世界の旅」のように刺激的であり、エンカレッジングな記録であり、またチャーミングな自伝的著作である。栗田氏による、著作権輸出の仕事は、出版ビジネスを世界的にし、そして図書館の棚を国の内外において広く豊かにした。その功績は、図書館サポートフォーラム賞にふさわしいものであり、評価し表彰するものである。

 受賞の言葉 


堀内 佳美氏(アークどこでも本読み隊 代表)
 堀内佳美氏堀内氏は全盲にもかかわらず、2010年よりタイに暮らしながら、「アークどこでも本読み隊」を立ち上げた。読書の機会が少ない子どもたちに読書会を開く移動図書館の活動を続けて、2013年11月にはコミュニティ図書館もオープンさせた。タイ国内には70以上の少数民族や1,000万人以上の障害者がおり、その多くは学校や図書館の施設が少ない農村部に暮らしている。そのような環境の中、「本は世界の窓」をキャッチフレーズに、自らのハンデキャップをものともせず、子どもたちに本や物語を届け、読書や学習の機会を現地のタイ人スタッフとともに展開している。「アークどこでも本読み隊」の運営は、海外における読書推進活動のよきモデルを実践・提示していると言えよう。今後の継続発展への期待をこめつつ、その国際性と行動力を高く評価し表彰するものである。

 受賞の言葉 


太田 泰弘氏(元・味の素食の文化センター主任研究員/前・文教大学教授)
 太田泰弘氏太田氏は味の素食の文化センター主任研究員として在職中から約30年に亘り調査研究した成果を『日本食文化図書目録 江戸~近代』(日外アソシエーツ,2008)として刊行した。本書はわが国の江戸時代以降の食文化に関わる6,300件の図書の解題書誌であり、570頁に及ぶ類書の無い大著労作である。2013年に和食は世界遺産としてユネスコに登録され、本書の価値はますます高まるに違いない。加えて文教大学国際学部教授、情報知識学会専門用語研究部会長、日本ドクメンテーション協会(現:情報科学技術協会)理事等歴任の他、神奈川県資料室研究会など企業間ネットワークの設立に尽力されるなど、多岐にわたる氏の功績を評価し表彰するものである。

 受賞の言葉 

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