図書館活動をサポートするOB会 Library Support Forum
LSF事務局(日外アソシエーツ内)
TEL. 03-3763-5241
営業時間 AM9:00 ~ PM18:00
第15回図書館サポートフォーラム賞受賞者(2013/4/22授賞式)
水谷長志 表彰委員長講評
岩瀬文庫ボランティア(佐野 三樹雄氏)
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愛知県西尾市に所在する岩瀬文庫は明治41年、市内の実業家・岩瀬弥助の私財により設立された古典籍中心の私立図書館を起源とし(昭和30年に市の所管となる)、重要文化財である後奈良天皇宸翰般若心経をはじめ極めて多岐に渡る稀覯本を含む蔵書を有している。和装本の綴じ直しや中性紙保存帙の作成などの蔵書の保存修復、各種講座や広報活動の支援のためにボランティア・グループが平成17年に組織され、今日50名を越す会員により一貫して岩瀬文庫を西尾市の文化の顔たらしめて来た。“古書のミュージアム”という、公立博物館としては非常にユニークな岩瀬文庫を支援するこのボランティアの活動は、地域コミュニティの文化拠点の形成の範となるものとして、その意義を高く評価し表彰するものである。
- 受賞の言葉
谷合 佳代子氏(大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)館長)
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「働く人々の歴史を未来に伝える図書館」をモットーとする愛称エル・ライブラリーは2008年の開館であるが、その前身である大阪社会運動協会の資料室は1978年以来、労働組合や企業、市民団体の貴重な歴史的資料を数万点所蔵する歴史資料館であり、最新の労務管理情報・賃金データなどを収集する図書館として活動してきた。近年、母体である財団法人大阪社会運動協会への大阪府・大阪市からの補助金全額廃止という事態にもかかわらず、同協会の公益財団法人化を果たした谷合氏は館長として千本沢子館長補佐とのコンビにより、労働専門図書館の活動を継続しつつ、さらにsaveMLAKの活動にも果敢に取り組んでいる。実情は言葉にし難いほどの苦境にあって、なお「21世紀のアーキビストたる自覚と矜持」を持って邁進されるその姿勢と図書館経営の維持の功績について、その意義を高く評価し表彰するものである。
- 受賞の言葉