図書館サポートフォーラムの代表幹事を務めさせていただいています山ア久道でございます。
ただいまご紹介いただきましたとおり、当会が図書館サポートフォーラム賞の表彰活動を始めて、今回は20回目を迎える大変記念すべき表彰の年となりました。
この賞は、本日も会場にいらっしゃっている初代の代表幹事である末吉哲郎さんが、3つの目標を掲げて創設されたものとして、私は理解しております。
1番目は、図書館やそれに類する機関の中で、地道に専門的な活動を続けられ、優れた業績をあげられた方です。例えば目録や書誌を作成されたり、資料収集やレファレンスなどの活動に従事されたり、図書館経営に尽力されたりした功績などが挙げられます。図書館員、あるいはアーキビストや学芸員の方々というのは、世の中で中々日の当たらない存在ですが、非常に優れたお仕事をされている方はたくさんいらっしゃいますので、ぜひ顕彰させていただきたいというのが、第一の目標となっています。
2番目は、図書館を社会の中できちんと位置づけていくことが非常に大事だということです。私自身の限られたものの見方ではありますが、日本の社会は図書館に対して必ずしも十分な評価を与えているとは思われません。例えばアメリカやイギリスでも、図書館に投資をすると、そのお金が何倍にもなって社会に還ってくるという、いわばROEとかROIに相当する図書館における投資収益率というものを社会的に計算しているケースが大変に多いという事実があります。そういったデータを見ると、大体4倍ぐらいのお金が社会に還元されているという計算をしています。残念ながら日本ではそういった統計データを見たケースはほとんど無いですが、図書館はその所蔵する資料などを通じて、多くの人が勉強したり、人生の悩みについて考えたり、生活を改善することができる、大切な情報資源を蓄積・提供する組織と思われます。その割に日本では、そこに対する社会的な評価が十分ではない。そこで図書館、あるいはそれに類する公文書館や博物館などを、社会の中で正当に評価されるよう努力をされてきた方を顕彰させていただきたいというのが、第二の目標となっています。
3番目は、図書館の活動はいうまでもなく日本一国だけで成り立つものではありません。例えば発展途上国の図書館活動の援助をしたり、あるいはそういった所にボランティアで行ったり、素晴らしい活動に従事されてきた方がたくさんいらっしゃいます。こういった国際的な図書館に関わる活動に従事された方を顕彰させていただきたいというのが、第三の目標となっています。
こういった専門性、社会性、国際性といった三つの観点を柱にして、表彰活動を行っております。
後で表彰委員の木本さんからご紹介がありますが、今回も大変に素晴らしい受賞者の方々をご迎えすることができました。これまでの20回に渡る表彰活動について、事務局から皆様のお手元に資料をお配りいただいています。これを見ていただければ、実に多種多様な方々が受賞されてきたことがお分かりになるかと思います。
最後にこの図書館サポートフォーラムに関しまして、日外アソシエーツ株式会社が並々ならぬご支援をしていただいたおかげで、この表彰活動がここまで長く続けることができたことに、皆様とともに厚く感謝を申し上げたいと思います。
ぜひ20回の記念すべき表彰式として、華やかに、かつ意義深く執り行いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。