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【受賞のことば】下澤計治さん
一言ご挨拶させていただきます。先ほど、過分な受賞理由と共に、末吉代表さんがおっしゃる大変ユニークな賞を頂戴いたしまして、大変感激しております。
むすびめの会は、配布資料の中に紹介文章もありますし、サポートフォーラムのニューズレターにも書かれておりますので、あまりくだくだしいことを言いましても時間の無駄かと思いますが、受賞理由の時に1990年とおっしゃられたんですけれども、これは間違いで1991年に発足いたしまして、ちょうど丸10年経っております。当初は15人くらいの少ない人数から始まった訳なんですが、ちょうど時期的に国際交流の機運が高まっていた時期だったんでしょうか、それとまたそういう機運の中で、なかなか先見の明のある市長さんや町長さんが、予算やるからお前のところの図書館で何とかせい、というような形で、仕事を押しつけられて大変苦慮していた図書館員が大変多かったんじゃあないかなあ、そんなことから会員が増えたのではないかと思っております。当時、多文化サービスという言葉は、我々も聞いてはいたわけですけれども、実際問題として多文化サービスって何なのかと言われてみれば、我々も会の名称の中に多文化サービスっていうのを入れなかったんですけれども、やはりその時には根付いていなかったということが言えるんじゃないかなと思っております。ただ、そういう中からやっぱりみんな必要に感じながら、自分たち、我々も含めましてですね、勉強しながらこれまでやってきたというところじゃあないかと今思っております。
そういう意味で先ほど「鎌倉」の方が応援団という話もあったかと思うんですが、我々もある意味では公立図書館の多文化サービスに対する応援団だというふうに思っております。ですから必ずしもメンバーは公立図書館員だけではなくて、私先ほど紹介されましたけれど、今付属高校におるんですけれどももともとは大学の図書館で仕事をしておりましたりで、館種、職種にかかわらず関心のある方が集まっています。10年も経ちますと我々自身も多少の年齢がいってしまったこともありまして、それから仕事が図書館からほかのところに移ったりですとか、図書館の中でもちょっと役割が大きくなったりして、だいぶフットワークが悪くなってきております。正直言いましてこれからやっていかなければいけないこと、やりたいと思っていること、例えばそういう多文化サービスをやっていくための公共図書館、実際にやっていくためのマニュアルを作っていきたいというのをかなり前からの課題にしているんですけれども、なかなかうまく先へ進んでいきません。それはまあちょうど紀伊國屋書店から『図書館の達人』の多文化サービス編のビデオが販売されたこともありまして、あれ少し脚本のところで我々もお手伝いさせていただいているんですけれども、ああいうものが出されてしまったこともありまして、ちょっと我々のマニュアルづくりも足が止まっているなあという気がするんですけれど、まあ言ってしまえば我々自身もエネルギーがちょっと少なくなってきたのかなあというふうに思っておるところです。この受賞を機会にですね、是非もう一度そのへんのところを見直してマニュアルづくりに頑張っていければなあというふうに思っておるところです。
今日は、私が挨拶をしておりますけれど、本当は事務局の代表は、都立日比谷図書館の迫田さんですので、詳しいことは迫田さんですとか、それからこのむすびめの会の一番最初の呼びかけ人だったと思うんですけれど、高畑さんも来ておりますのでそういう方に聞いていただければと思います。
最後に多文化サービスって言いますけれども、けっして特殊なことをしているわけでも特別なことをしているわけでもなんでもなくって、ただ単にその図書館がある地域に住んでいる住人が外国人であるということだけでして、住民に図書館の利用の権利を保障するという意味では、日本人であろうが在日朝鮮人であろうがアイヌの文化を持つ人であろうが、一切関わりないんではないだろうかというふうに我々は思っております。これからもそういう考えで活動を続けていきたいと思います。本日はユニークな賞をいただきありがとうございました。
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