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第204回 図書編1(2025年1月)

2025.1.15 update
キーワード 編著者名  『書名 巻次』 発行所 発行年月 頁数 サイズ
医学図書館 小嶋智美 『Hidden Library,Invisible Librarian : 医療と健康と図書館と、司書。』 郵研社 2024.7 227p 19cm
学校図書館 根本彰 『図書館教育論 : 学校図書館の苦闘と可能性の歴史』 東京大出版会 2024.8 4,291,5p 20cm
稀書 河野貴美子* 『中日古典学ワークショップ論集 : 文献・文学・文化 1』 汲古書院 2024.3 4,712,2p 22cm
郷土資料 DBジャパン 『蛭田先生。地域資料は集めるだけじゃダメってどういうことですか? : ストーリーでわかる地域資料サービスの考え方』 DBジャパン 2024.6 167p 21cm
記録文学 石井光太 『本を書く技術 : 取材・構成・表現』 文藝春秋 2024.10 319p 19cm
禁止本 高榮蘭 『出版帝国の戦争 : 不逞なものたちの文化史』 法政大出版局 2024.6 17,333,10p 20cm
古書店 岡崎武志 『昨日も今日も古本さんぽ : 2015-2022』 書肆盛林堂 2024.1 391p 21cm
古書店 宇田智子 『すこし広くなった : 「那覇の市場で古本屋」それから』 ボーダーインク 2024.5 245p 19cm
雑誌 石川巧 『戦後出版文化史のなかのカストリ雑誌』 勉誠社 2024.6 5,192p 21cm
雑誌 森まゆみ* 『谷根千の編集後記』 月兎舎 2024.6 254p 19cm
出版 佐藤友美 『本を出したい』 CCCメディアハウス 2024.3 309p 19cm
出版 高橋文夫 『スマホ社会と紙の本』 論創社 2024.5 16,212p 20cm
出版 城村典子 『本を出そう、本を出そう、出したらどうなった?』 みらいパブリッシング 2024.7 213p 19cm
出版 鈴木俊幸 『蔦屋重三郎』 平凡社 2024.10 203p 18cm
出版 田中優子 『蔦屋重三郎江戸を編集した男』 文藝春秋 2024.10 253p 18cm
出版社 小平麻衣子* 『サンリオ出版大全 : 教養・メルヘン・SF文庫』 慶應義塾大出版会 2024.2 432,6p 20cm
出版社 栗原哲也 『神保町有情 : 日本経済評論社私史』 一葉社 2024.3 319,13p 20cm
出版社 齋藤愼爾 『深夜叢書社年代記 : 流謫と自存』 深夜叢書社 2024.7 364p 22cm
出版社 阿笠透子 『ゆるりと、ひとり出版社、はじめました やっぱり、本つくりって面白い!』 阿笠出版 2024.9 157p 19cm
障害者サービス 近畿視覚障害者情報サービス研究協議会 『本と視覚障害者をつないだ半世紀 近畿視情協の歩んできた道』 読書工房 2024.1 293p 21cm
障害者サービス 宮田和樹* 『アクセシブルブックはじめのいっぽ : 見る本、聞く本、触る本』 ボイジャー 2024.5 174p 19cm
小説 コリン・ソルター 『世界を変えた100の小説』 原書房 2024.8 2冊 22cm
小説作法 ほしおさなえ 『言葉の舟 : 心に響く140字小説の作り方』 ホーム社 2024.4 189p 19cm
小説作法 ジョーンズA 『物語のかたり方入門 : <ナラティブ>を魅力的にする25の方法』 創元社 2024.6 60p 18cm
小説作法 山川健一* 『小説を書く人のAI活用術 : AIとの対話で物語のアイデアが広がる』 インプレス 2024.10 270p 19cm
情報利用法 中崎倫子 『大学図書館司書が教えるAI時代の調べ方の教科書 : チャートでわかる』 BOW&PARTNERS 2024.8 312p 19cm
書誌学 国文学研究資料館 『本かたちと文化 : 古典籍・近代文献の見方・楽しみ方』 勉誠社 2024.2 292,7p 22cm
書籍商 青山英正 『石水博物館所蔵岡田屋嘉七・城戸市右衛門他書肆書簡集』 和泉書院 2024.2 10,404,3p 22cm
書籍商 北田博充 『本屋のミライとカタチ : 新たな読者を創るために』 PHP研究所 2024.2 259p 19cm
書籍商 福嶋聡 『明日、ぼくは店の棚からヘイト本を外せるだろうか』 dZERO 2024.2 444p 19cm
書籍商 奈良敏行 『町の本屋という物語 : 定有堂書店の43年』 作品社 2024.3 236p 20cm
書籍商 三宅玲子 『本屋のない人生なんて』 光文社 2024.3 337p 19cm
書籍商 ふわはね 『えほんとりっぷ 全国絵本屋さんめぐり130軒』 世界文化社 2024.4 187p 17cm
書籍商 山内貴範 『ルポ書店危機』 blueprint 2024.4 254p 19cm
書籍商 月刊『創』編集部 『街の書店が消えてゆく』 創出版 2024.5 176p 21cm
書籍商 小島俊一 『2028年街から書店が消える日 : 本屋再生!識者30人からのメッセージ』 プレジデント社 2024.5 261p 19cm
書籍商 和氣正幸 『さあ、本屋をはじめよう : 町の書店の新しい可能性』 Pヴァイン 2024.6 184p 19cm
書籍商 森田めぐみ 『書店員は見た! : 本屋さんで起こる小さなドラマ』 大和書房 2024.6 221p 19cm
書籍商 矢部潤子 『漫画本を売る技術』 本の雑誌社 2024.7 158p 21cm
書籍商 清水玲奈 『英国の本屋さんの間取り : また行きたくなるお店のヒミツ』 エクスナレッジ 2024.7 159p 21cm
書籍商 南陀楼綾繁 『「本」とともに地域で生きる』 大正大出版会 2024.11 292p 19cm
書評 大学生と「週刊読書人」編集部 『書評キャンパスat読書人 : 書評の新聞「週刊読書人」連載 : 大学生が作る書評コラム 2022』 読書人 2024.2 159p 21cm
書評 養老孟司 『時間をかけて考える : 養老先生の読書論』 毎日新聞出版 2024.3 251p 19cm
書評 斎藤美奈子 『あなたの代わりに読みました : 政治から文学まで、意識高めの150冊』 朝日新聞出版 2024.5 350p 19cm
書評 仲谷栄一郎 『本と出会う本』 弘文堂 2024.10 1冊 19cm
蔵書家 本の雑誌編集部 『絶景本棚 3』 本の雑誌社 2024.3 255p 21cm
装丁 デザインノート編集部 『美しいブックデザイン : 書体・紙選びから印刷・製本まで、プロフェッショナルの思考と表現に学ぶ』 誠文堂新光社 2024.6 351p 26cm
大学図書館 立田慶裕 『世界の大学図書館 : 知の宝庫を訪ねて』 明石書店 2024.6 222p 22cm
著作家 出久根達郎 『本の身の上ばなし』 筑摩書房 2024.9 294p 15cm
著作家 本田健 『作家とお金』 きずな出版 2024.11 197p 19cm

編者:有木太一ふとし紹介

 1968年11月、東京都杉並区の産婦人科で生まれ、世田谷区で乳幼児期を過ごし、小学校入学時に群馬県に移る。市立の小・中学校と県立の高校を卒業し、少し長い浪人期間を経て、早稲田大学第二文学部(現文化構想学部・文学部)に入学。“大学5年生”の時、図書館司書資格関係の講座を受講し、深井人詩・中西裕両先生に師事。この縁で、2018年2月「最近の書誌図書関係文献」を引き継ぐことになった。また、『書誌年鑑』2016・2017年版で編集作業を見習い、2018年版から編者に就任した。現在は東京都特別区西部在住。

 これまで連載を続けられた中西裕先生は、連載開始から満10周年となる2018年1月をもってご勇退されました。2008年2月からの10年間、本当にお疲れさまでした。この2月からは、有木太一が担当します。未熟者ですが微力を尽くしますので、よろしくお願いいたします。体裁や掲載ルールなどは、基本的にこれまでと同じです。

2018年2月 有木太一

2008年「最近の書誌図書関係文献」再開にあたって (中西ゆたか

 『日本古書通信』誌で長期にわたって連載され、2007年7月をもって終了した「最近の書誌図書関係文献」が日外アソシエーツ社のご厚意でここに復活することとなった。

 歴史をたどってみると、書誌学者天野敬太郎が昭和15年(1940年)に連載を始め、戦争が激しくなったために昭和19年(1944年)に中断、10年のブランクを経て戦後昭和29年(1954年)に再開されている。天野は昭和42年(1967年)に手を引き、深井人詩氏にバトンタッチされた。その後渡辺美好が共編者となった時期を経て、最後に中西が引き継ぐこととなった。中断期間はあるものの、想像を絶するほど長い時代にわたって、この連載は書誌の世界を眺めてきたことになる。

 再開される本連載では『日本古書通信』誌での形式を基本的にすべて踏襲することとした。したがって、ここで紹介していくのは新しく編まれた書誌・目録である。1冊全体が書誌であるものはもちろん、研究書に収められた参考文献なども対象とする。あるいは著作家の伝記に付けられた年譜も著作物が記されていれば採録することとする。もうひとつの柱である「図書関係文献」は年に1回程度とりあげることとなろう。唯一異なるのは書名等の長さに制限を加える必要がなくなったことぐらいである。

 Webの世界に親しんでいない方にご覧いただけないのは残念である。携帯電話を持たず、電子辞書も敬遠している、本質的に活字人間である編者としては、できることなら印刷媒体での再開を企図していたのが正直なところだが、時代は想像以上に進んでいる。昨秋、新語事典が1種を残して刊行休止と伝えられたのは象徴的な事態であった。Web上での新語検索が主流となったことによるという。暮になると店頭に山のように詰まれていた新語辞典を見ることがもうなくなるのかと思うと、まことに寂しい。

 ともあれ、こうして再開されることは編者にとってもまことにありがたいことである。1年間の「書誌の書誌」を集積した『書誌年鑑』を発行する出版社のホームページ上で連載できることはあらゆる意味で願ってもないことである。ぜひご活用いただき、あわせて漏れているもののご指摘などを伺えるとすれば、Webでの公開の意義も高まることであろう。

2008年2月15日 中西 裕(昭和女子大学教授)

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