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第203回 件名編(2024年12月)

2024.12.13 update
キーワード 書誌表示 編著者名  『書名 巻次』/「誌名 巻.号.通号」 発行所 発行年月 掲載頁
遺跡・遺物 参考図書 チャイルドVG 『ヨーロッパ文明の黎明』 京都大学術出版会 2024.9 p466-461
イヌ 参考文献 谷口優 『なぜ犬と暮らす人は長生きなのか』 エクスナレッジ 2024.9 p189-191
宇宙生物学 参考文献 コケルCS 『タクシードライバーとの宇宙談義』 化学同人 2024.9 p303-297
映画音楽 参考文献 ブリッジスR 『「カウボーイビバップ」のサウンドトラック : 菅野よう子と渡辺信一郎の音楽作劇術』 DU BOOKS 2024.9 p188-186
絵画療法 引用文献 牧瀬英幹 『描画連想法 : ラカン派精神分析に基づく描画療法の理論と実践』 遠見書房 2024.9 p189-194
会議法 ブックガイド* 堀公俊 『ロジカル・ディスカッション : チーム思考の整理術 新版』 日経BP日本経済新聞出版 2024.9 p237-239
介護福祉 参考文献 川内潤 『親の入院・介護「どうする?」がわかる本 : 親子共倒れにならない!』 ナツメ社 2024.9 p223-222
解剖学 書籍リスト ソールターC 『解剖学者全史 : 学者とその書物でたどる5千年の歴史』 グラフィック社 2024.9 p260-264
学者 参考文献 志村真幸 『在野と独学の近代 : ダーウィン、マルクスから南方熊楠、牧野富太郎まで』 中央公論新社 2024.9 p267-263
学習心理学 参考文献 今井むつみ 『学力喪失 : 認知科学による回復への道筋』 岩波書店 2024.9 p303-314
河川 参考文献 三橋さゆり 『地図と地形でわかる日本の川と流域外分水 : 山の向こうから水を引け!』 実業之日本社 2024.9 p172-175
カタツムリ 参考文献 ヴァン・ドゥーレンT 『カタツムリから見た世界 : 絶滅へむかう小さき生き物たち』 青土社 2024.9 p3-18b
緘黙 参考文献 中之園はるな 『わが子が家の外では話せないことに気づいたら読む本 : かんもく【場面緘黙】改善メソッド』 あさ出版 2024.9 p224-225
経済倫理 引用文献 ボウルズS 『モラル・エコノミー : インセンティブか善き市民か』 筑摩書房 2024.9 p384-365,
395-397
検閲 文献ガイド ヴォウズR 『禁書目録の歴史 : カトリック教会四百年の闘い』 白水社 2024.9 p29-52b
言語 参考文献 ダンバーR 『ことばの起源 : 猿の毛づくろい、人のゴシップ 新版』 青土社 2024.9 p14-28b
校正 参考文献 髙橋秀実 『ことばの番人』 集英社インターナショナル 2024.9 p220-222
校則 参考文献 大津尚志 『校則と主権者教育 : 続・校則を考える』 晃洋書房 2024.9 p177-181
国家 お薦め文献 カー=リンゼイJ* 『分離独立と国家創設 : 係争国家と失敗国家の生態』 白水社 2024.9 p17-20b
孤独 参照文献 小澤デシルバ慈子 『孤独社会 : 現代日本の<つながり>と<孤立>の人類学』 青土社 2024.9 p7-29b
市場論 参考文献 栗野盛光* 『マーケットデザイン総論』 共立出版 2024.9 p177-180
児童虐待 参考文献 姫野桂 『心理的虐待 : 子どもの心を殺す親たち』 扶桑社 2024.9 2pb
食糧問題 引用文献 神門善久 『食料危機の経済学 : 虚構性と高度消費社会』 ミネルヴァ書房 2024.9 p221-223
進化論 文献目録 ワグナーA 『眠れる進化 : 世界は革新に満ちている』 早川書房 2024.9 p283-253(26-56b)
信教の自由 参考文献 小川原正道 『「信教の自由」の思想史 : 明治維新から旧統一教会問題まで』 筑摩書房 2024.9 p247-255
睡眠 参考文献 櫻井武 『すごく使える睡眠学テクニック : すぐに実践したくなる』 日本実業出版社 2024.9 p1-3b
選挙制度 参考文献 川人貞史 『日本の選挙制度と1票の較差』 東京大出版会 2024.9 p267-274
禅宗 参考文献 秋月龍珉 『禅門の異流 : 盤珪・正三・良寛・一休』 講談社 2024.9 p316-319
祖先崇拝 参考文献 櫻井義秀 『死者の結婚 : 慰霊のフォークロア』 法藏館 2024.9 p373-374
大統領 参考文献 西山隆行 『アメリカ大統領とは何か : 最高権力者の本当の姿』 平凡社 2024.9 p251-253
談話分析 参照文献 小野寺典子 『談話標識へのアプローチ : 研究分野・方法論・分析例』 ひつじ書房 2024.9 p161-175
地域開発 参考書籍 秋田魁新報「地方創生」取材班 『地方創生 : 失われた十年とこれから』 秋田魁新報社 2024.9 3pb
地域福祉 引用参考文献 大石剛史 『ケアリングコミュニティの理論 : 社会福祉の新しい地平を拓く地域福祉のメタ理論』 学文社 2024.9 p405-411
治水 文献 島谷幸宏* 『図説河川災害と復興 : 自然環境の再生と持続社会』 朝倉書店 2024.9 p146-150
著作権 参考文献 山田奨治 『「海賊版」の思想 : 18世紀英国の永久コピーライト闘争 新版』 皓星社 2024.9 p10-15b
統計力学 参考文献 清水明 『統計力学の基礎 1』 東京大出版会 2024.9 p399-401
陶磁器 参考文献 新井崇之* 『躍動するアジア陶磁 : 町田市立博物館所蔵の名品から』 町田市立博物館 2024.9 p112-113
動物生態学 参考文献 小池伸介* 『タネまく動物 : 体長150センチメートルのクマから1センチメートルのワラジムシまで』 文一総合出版 2024.9 p134-148
読書法 参考文献 ぶっくま 『「知る」を最大化する本の使い方 : ひと目でわかる図解付き!』 翔泳社 2024.9 p284-285
都市 参考文献 布野修司* 『希望のコミューン : 新・都市の論理』 悟空出版 2024.9 p421-428
図書館情報学 文献紹介 ウィルソンP 『知の典拠性と図書館 : 間接的知識の探究』 丸善出版 2024.9 p209-213
日本銀行 参考文献 木原麗花 『日銀総裁のレトリック』 文藝春秋 2024.9 p236-238
認知症 おすすめの本 ニコ・ニコルソン* 『マンガ認知症 施設介護編』 筑摩書房 2024.9 p281-286
参考文献 フェルベークC 『図説鼻とにおいの文化史 : クレオパトラからナポレオン、レディ・ガガまで』 原書房 2024.9 p5-9b
文学 参考文献 斎藤英喜 『文学と魔術の饗宴 日本編』 小鳥遊書房 2024.9 p138,179
法学教育 参考文献 金井高志 『民法でみる法律学習法 : 知識を整理するためのロジカルシンキング 3版』 日本評論社 2024.9 p12-13f
民主主義 参考文献 フィンレイEB 『民主至上主義』 柏書房 2024.9 p368-357
郵便事業 参考文献* 星名定雄 『陸・海・空、手紙をはこぶ : イギリス郵便の歴史』 法政大出版局 2024.9 p12-28b
預金保険制度 参考文献 飯塚徹 『金融セーフティネットの再構築 : 市場規律が有効に機能する預金保険制度』 日本評論社 2024.9 p353-369
ラクダ 引用参照文献 堀内勝 『ラクダの文化誌 : アラブ家畜文化考』 法藏館 2024.9 p532-537

編者:有木太一ふとし紹介

 1968年11月、東京都杉並区の産婦人科で生まれ、世田谷区で乳幼児期を過ごし、小学校入学時に群馬県に移る。市立の小・中学校と県立の高校を卒業し、少し長い浪人期間を経て、早稲田大学第二文学部(現文化構想学部・文学部)に入学。“大学5年生”の時、図書館司書資格関係の講座を受講し、深井人詩・中西裕両先生に師事。この縁で、2018年2月「最近の書誌図書関係文献」を引き継ぐことになった。また、『書誌年鑑』2016・2017年版で編集作業を見習い、2018年版から編者に就任した。現在は東京都特別区西部在住。

 これまで連載を続けられた中西裕先生は、連載開始から満10周年となる2018年1月をもってご勇退されました。2008年2月からの10年間、本当にお疲れさまでした。この2月からは、有木太一が担当します。未熟者ですが微力を尽くしますので、よろしくお願いいたします。体裁や掲載ルールなどは、基本的にこれまでと同じです。

2018年2月 有木太一

2008年「最近の書誌図書関係文献」再開にあたって (中西ゆたか

 『日本古書通信』誌で長期にわたって連載され、2007年7月をもって終了した「最近の書誌図書関係文献」が日外アソシエーツ社のご厚意でここに復活することとなった。

 歴史をたどってみると、書誌学者天野敬太郎が昭和15年(1940年)に連載を始め、戦争が激しくなったために昭和19年(1944年)に中断、10年のブランクを経て戦後昭和29年(1954年)に再開されている。天野は昭和42年(1967年)に手を引き、深井人詩氏にバトンタッチされた。その後渡辺美好が共編者となった時期を経て、最後に中西が引き継ぐこととなった。中断期間はあるものの、想像を絶するほど長い時代にわたって、この連載は書誌の世界を眺めてきたことになる。

 再開される本連載では『日本古書通信』誌での形式を基本的にすべて踏襲することとした。したがって、ここで紹介していくのは新しく編まれた書誌・目録である。1冊全体が書誌であるものはもちろん、研究書に収められた参考文献なども対象とする。あるいは著作家の伝記に付けられた年譜も著作物が記されていれば採録することとする。もうひとつの柱である「図書関係文献」は年に1回程度とりあげることとなろう。唯一異なるのは書名等の長さに制限を加える必要がなくなったことぐらいである。

 Webの世界に親しんでいない方にご覧いただけないのは残念である。携帯電話を持たず、電子辞書も敬遠している、本質的に活字人間である編者としては、できることなら印刷媒体での再開を企図していたのが正直なところだが、時代は想像以上に進んでいる。昨秋、新語事典が1種を残して刊行休止と伝えられたのは象徴的な事態であった。Web上での新語検索が主流となったことによるという。暮になると店頭に山のように詰まれていた新語辞典を見ることがもうなくなるのかと思うと、まことに寂しい。

 ともあれ、こうして再開されることは編者にとってもまことにありがたいことである。1年間の「書誌の書誌」を集積した『書誌年鑑』を発行する出版社のホームページ上で連載できることはあらゆる意味で願ってもないことである。ぜひご活用いただき、あわせて漏れているもののご指摘などを伺えるとすれば、Webでの公開の意義も高まることであろう。

2008年2月15日 中西 裕(昭和女子大学教授)

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